Vol.102 時代を飾るキーパーソン ニュージーランド Edenz Colleges学長


オークランド中心部、タウンホールの筋向いに位置するEdenz Colleges。AUTやオークランド大学、図書館や劇場などの設備にも近く、学生生活を送るのに最適の環境にあるといえる。学長のティム・クーパーが高校で教えた豊富な経験から始まり、今では、英語教師養成コース、フィルム製作アカデミーなどで認知されるようになった。

Edenz Colleges学長・Tim Cooper【Profile】
Tim Cooper / ティム クーパー 1946年 3 月31日生まれ。地理学、教育学、歴史、外国語(スペイン語専攻)を学ぶ。Auckland Grammar Schoolで10年以上にわたり教鞭をとった経験を生かし1988年にEdenz Collegesを開校。20年余ずっと質の高い教育機関であり続けてきた。大のフットボールファン。2200人のメンバーを持つニュージーランド最大のスポーツクラブ、スリーキングス・ユナイテッド・フットボールクラブの理事を勤める。その長年の功績が認められて、先日、生涯会員となる栄誉を受けた。

中、高校教育の経験を生かして自分の学校を創始。

Edenz Colleges学長・Tim CooperEdenz Colleges学長・Tim Cooperいいスタッフこそがいいビジネスの鍵Edenz Colleges学長・Tim Cooper20代の娘が2人と息子が1人いる。孫はまだ。Edenz Colleges学長・Tim Cooper膝の故障で現在休んではいるが、熱心なスカッシュプレーヤーでもある。Edenz Colleges学長・Tim CooperEdenz Colleges学長・Tim Cooperスタッフを選ぶのも大切な仕事Edenz Colleges学長・Tim Cooper

私の両親はイギリス人ですが、父がNATOの仕事をしていた関係で、私はシンガポールで生まれました。幼少の頃にイギリスに住んだこともありますが、就学してからはずっとウエリントンで育ちました。大学を出て教職に就き、最初の仕事でメキシコへ行きました。新米教師でいきなり英語圏以外の外国で、4年間いました。ニュージーランドに戻ってきてからは、Auckland Grammar Schoolの先生になりました。英語と、地理、歴史などを教えました。1988年に、当時グラマースクールの同僚だった日本人の先生から「日本からのグループの短期留学をコーディネイトしてくれないか」と持ちかけられました。そのグループはニュージーランドで英語とラグビーを習いたいというのでした。そこで、私はオールブラックスの選手を3人も雇って教えに来てもらいましたよ。その頃から、日本からのグループだけでなく、台湾やマレーシア、タイなどからの英語研修ツアーもコーディネートするようになりました。それで、それならいっそのこと自分の英語学校を創ろうということになったわけです。

独立した4つのコース

Edenzはそうして、オークランド・シティに誕生しました。89年には政府の認可も受けました。本当は私の住むエリア、Mt. Edenにちなんで、Eden Collegeという名前にしたかったのですが、その名前では認可してもらえませんでした。それで、いろいろ言葉を組み合わせていくうちに、Edenzという名に落ち着いたんです。ニュージーランドというのが語尾についているので、海外でアイデンティティーが分かりやすくていいでしょう?Edenz Collegesには現在、独立したコースが4つあります。一般英語コース、ビジネスコース、英語教師養成コース、それとフィルム製作アカデミーです。

ニーズに会った新しいコースをオファー

一般英語コースはEdenz Colleges全体の40%程を占めます。数多くの国籍の学生が在籍しています。アジアや中近東だけでなく、南アメリカからの留学生も多いです。IELTSなど従来のコースはもちろんありますが、最近新設して人気を集めているのがOET(Occupational English Test)のコースです。OETというのは、オーストラリアの試験で、たとえば日本で看護士の資格を持っている人がニュージーランドで看護士の仕事に就きたい、という場合の、その職業専門の語学能力をはかるものです。これは、ここニュージーランドのように移民が多い、人種のるつぼである国には、とても重要なものなのではないでしょうか。英語を外国人学生に教えるところからはじまった学校も、5年後の94年には英語教師をトレーニングするようになりました。今では世界で通用する英語教師の資格、Trinity TESOL サティフィケートが取得できるニュージーランドでは数少ない、さらに年間200人以上が受講する最大規模の学校のひとつになりました。このコースの受講者はほとんどがネイティブスピーカーですが、中には外国人もいます。現在の進行中のクラスには、韓国人とタイ人がいます。資格を持ったTESOLの教師はまだまだ少ないので、資格獲得後は引っ張りだこです。ビジネスコースは、英語をあるレベルまで習得した外国人留学生のために始めました。現在200人ほどの学生が勉強しています。ビジネス、Eビジネス、ツーリズム、アカウンティングなどのサティフィケートやディプロマコースがあります。中でも特に力をいれているユニークなコースはMYOB専門のアカウンティングのコースです。

実践的なフィルム製作アカデミー

フィルム製作コースは10年ほど前に始まりました。その当時にスタッフだった1人が、本業は映画関係だったことで始まりました。コースを終了したらすぐに実践に役立つ、フィルム業界で活躍できる人間を育てるのです。それまでにもAUTなどにフィルムのコースは在りましたが、それらは、理論や歴史が中心で、学生はそこを卒業しても実際にフィルムが製作できるようにはなりませんでした。フィルムアカデミーの6ヶ月コースは、毎回定員が16名ととても小さいですが、入学してその第一日目からカメラを触って撮影をする実技中心の内容です。専属の教師はたった一人しかいませんが、その代わり、実際に現場でフィルム製作に携わっている映画関係者、プロデューサー、カメラマン、音響技術者など、専門の現役フィルムメーカーに特別講師として来てもらい、その経験を伝授してもらっています。ですから生徒は、リアルタイムの生きたフィルム製作を学ぶことができるのです。最近では、「Second Hand Wedding」というヒット映画を創ったNick Wardが忙しいスケジュールを調整して教えに来てくれています。そんなトレーニングのおかげでここの卒業生はかなり高い確率で映画制作業界に就職しています。

質の高い教育機関としてニュージーランド社会に幅広く貢献するのが目標

Edenz Collegesの強みは、スタッフです。教師陣はもちろん、マーケティングや事務のスタッフも皆、ポジティブでとても優れています。私はHRマネージャーとして、彼らがそれぞれの能力を発揮できるように気を配ります。スタッフが、質の高い授業、きめの細かいケアなどを通してEdenz Collegesを支えているからです。Edenz Collegesは現在オークランドのほか、タウランガにキャンパスがありますが、近い将来にはウェリントンや、また、南島、たぶんクライストチャーチにもキャンパスを開きたいと思っています。

カテゴリ:先生/学校経営
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