Vol.97 Career up in NZ WIZCOPEディレクター


WEBシステム開発、WEBデザイン、ICTコンサルティング、PCテクニカルサポートなど幅広い事業展開をしているWIZCOPEの経営者である中村幸靖さん。WEBやICTの知識・スキルと、日本・ニュージーランド両国でのビジネス経験を活かして両国のビジネスの橋渡しとなる活動にも力を注いでいる。

WIZCOPE経営者・中村幸靖さん【Profile】
Yukiyasu Nakamura
WIZCOPE Director
中村幸靖 神奈川県厚木市出身。早稲田大学電気工学科卒。知的財産法のスペシャリスト、ベンチャー企業での法人向け提案営業など、異色の職歴を持つエンジニア。WIZCOPEのICTコンサルタントとして、エンジニア気質とビジネス感覚のバランスを最重要視している。

WIZCOPE
http://wizcope.co.nz/

海外に出るキッカケ

WIZCOPE経営者・中村幸靖さん
実際は自宅でもできる仕事内容ではあるが、今後のビジネスの展開を考えてオフィスを借りたという。
WIZCOPE経営者・中村幸靖さん
ここ数ヶ月だけでも、手伝っているニュージーランド企業は5社ほどある
WIZCOPE経営者・中村幸靖さん
日本からニュージーランドに来て起業したい人をサポートする組織のメンバーでもある。
WIZCOPE経営者・中村幸靖さん
WIZCOPE経営者・中村幸靖さん

大学の電気工学科を卒業して以来、特許関係の仕事やベンチャービジネス立ち上げ参画などを経験した後、大手電気メーカーの業務用オーディオ機器のエンジニアとして働いていました。仕事そのものは充実していましたが、帰宅するのは日付が変わってからという生活を強いられる会社あるいは社会のあり方には違和感がありました。そして、いずれは独立起業したいという想いを持っていた頃、ピーター・ドラッカー氏の『ネクスト・ソサエティ』という著書に記されていた「これからは経済よりも社会が重要になる」といった内容に、自分の探していた答えの方向性を見出した気がしました。『ネクスト・ソサエティ』に記されていることの意味を自分なりに考えるにつれ、いずれ多少なりとも日本に貢献できるような自分になるためにも、一度日本を外から見てみたい、海外での暮らしを経験してみたいと考えるようになりました。そのような観点で情報収集する中で、①英語を公用語とする先進国であること ②移民を多く受け入れていること ③ゆったりとしたライフスタイルであること などの条件からオーストラリアやニュージーランドに目を向けたのでした。

日本とニュージーランドの考え方の違い

ニュージーランドへは中古車インターネットオークション会社に新設されたIT部門に就職する形で移住してきました。こちらに来たばかりの頃は、仕事とプライベートに対しての考え方の違いに戸惑いました。「スケジュールを守るためには最大限の努力をする」というのがそれまで日本で働いてきた私の考えでした。一方、ニュージーランドでは「スケジュールを守ることよりもプライベートの時間を守ることの方が大事」といったスタンスで、なんとしてもスケジュールを守るという意識は希薄でした。そのため、最初のうちは、日本と共同のITプロジェクトを遂行する際には、ニュージーランド側の同僚に日本のビジネス習慣を理解してもらい、日本側の親会社や取引先にニュージーランド側のライフスタイルを理解してもらうのには大変苦労しました。その後、苦労の甲斐もあり、お互いの理解も少しずつ深まり、いくつものプロジェクトを成功させることが出来ました。

エンジニアとしてのスキルに磨きをかけ続けるために独立

その後マネジメント力が評価され、役職もITマネジャーとなり、純粋に技術的な仕事からは離れがちになっていきました。変化の早い技術の世界で、一度技術の現場から離れてしまうと、エンジニアとしてのスキルを維持することはきわめて難しいというのが実情です。そこで、勤務先のITインフラや開発の数多くの課題を解決し、IT部門の基礎を構築できたと実感した後、WEBデザイナーの妻が2006年に設立したWEBデザイン会社WIZCOPEに参加する形で独立起業をしました。起業当初はWEBシステム開発やWEBデザインだけを事業内容としていましたが、色々な方からのアドバイスやリクエストを参考に、WEB関連・ビジネス向けICT関連・個人向けPC関連の3事業領域を確立していきました。また、最近ではニュージーランド企業の日本進出サポートプロジェクトにも積極的に参加しています。ニュージーランドには世界的にも高い技術力やユニークな製品をもった分野や企業があり、それらの企業は欧米にはどんどん進出しています。これからは日本へ進出する企業も増えていくのではないかと思います。今の課題は仕事とプライベートのバランスです。会社員時代以上にやりがいを感じていることもあり、この数年を振り返ると、仕事に没頭している時間が多く、もう少しプライベートの時間を確保したいと思うときもありました。ただ、フレキシブルに時間を調整できる面もありますので、大きなプロジェクトが一段落した後などは、平日に休みを取ってワイナリーでゆっくりしたりしています。また、仕事の合間や休日には、愛犬と散歩してリラックスしたり、最近では家庭菜園や釣りなどを楽しんだりしています。今後は、今よりもっとバランスよく、仕事とプライベートの両方を充実させていきたいと思っています。

カテゴリ:IT
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