Vol.90 Career up in NZ ニュージーランド生活の相談窓口・日本人アドバイザー


海外で生活している私たちを無料でサポートしてくれる、お助け窓口があるのを知っていますか?
ビザの相談や、就職関連の問題はもちろん、各種保険、消費者関係のクレーム、事故、違反、犯罪関連など、日常生活で出くわす、ありとあらゆるトラブルの対処法を、親切に、かつ適切にアドバイスしてくれるところ。その名もシチズンズ・アドバイス・ビューロー。困ったことが起きたときはいつでも、そこで気軽に相談できます。英語に自信のない人も大丈夫。日本、中国、韓国語をふくめた26カ国語の通訳ホットライン(CAB Language Link:09-625-3090)が設けられています。今月は、日本人アドバイザー、黒木静香さんに、そのサービスを紹介してもらいました。

ニュージーランド生活の相談窓口CAB International Students Service・日本人アドバイザー・黒木静香さん【Profile】
10月生まれ、愛知県豊田市出身。名古屋造形短大卒業後、広告代理店に入社。99年にイギリスへ語学留学、渡航したのが秋だったため、あまりの暗さと寒さ、そしてイギリスの食生活になじめず、1年の予定を半年で切り上げる。01年留学再挑戦、ワーホリでニュージーランドへ。3年後、永住権を獲得。07年8月よりCABのボランティアに参加。08年5月から現在のCAB International Students Serviceに所属。Kiwiのパートナーと西オークランドに暮らす。

市民何でも相談窓口

CAB International Students Service・黒木静香さん「個人的に困ったことがあるときは、一人で悩まずに、相談に来てほしいです。周囲の友人たちの無責任なウワサを鵜呑みにしないことです。正しい情報をゲットしに来て下さい。」CAB International Students Service・黒木静香さん仕事探しのコツやCVの書き方を教えてくれるジョブサーチクリニック、ビザ申請の方法を教えてくれるイミグレーションクリニックも毎週開催。(要予約)CAB International Students Service・黒木静香さんオフィスにはイミグレーションの申し込み用紙やIRDの書類、旅行関連、語学学校など様々な書類やブローシャーが揃っているCAB International Students Service・黒木静香さん黒木さんは火曜と木曜、9時半から5時半まで勤務。外回りをしていてオフィスに不在のこともあるので、彼女との日本語でのカウンセリングを希望の場合は、事前にアポイントメントを取ることを勧めますCAB International Students Service・黒木静香さんInternational Students Service では、通常のカウンセリング業務の他に、英会話グループ(ネイティブの講師を囲んでの英会話おしゃべりサロン。毎週火曜日午後4時-5時半)や、ムービーナイト(英語の映画を英語字幕付きで上映。毎週木曜午後3時45分から)などのイベントを行っている。参加無料。CAB International Students Service・黒木静香さん私の仕事は、いろんな人と出会い、そして別れる仕事。時には英会話グループのレギュラーの方たちと飲みに行ったりすることもあります。CAB International Students Service・黒木静香さんInternational Students Serviceは、語学学校のリージェントと同じビル内の同じフロアにあるので気軽にお立ち寄りください。

「本当のことを言うと、あんまり皆さんに来ていただきたくないところなんですよ。だって、困ったことがなくて、ハッピーな毎日を送っている人たちには、用のないところなんですから。」
オークランド市の{市民何でも相談窓口}であるシチズンズ・アドバイス・ビューローのインターナショナル・スチューデント・サービス部門でアドバイザーとして活躍する黒木静香さんは、そう言って微笑む。
それもそのはず、シチズンズ・アドバイス・ビューロー(以下CABと記す)は、日常生活していく中でトラブルに出くわしたり、どう対応したら良いかわからない問題が起きたときに、無料で相談に乗ってくれ、適切なアドバイスをしてくれるありがたい所。ニュージーランド各地の地方自治体に、必ずひとつはある、市民のための公共機関だ。その中でも、黒木さんが所属するのは、4年前に設けられたインターナショナル・スチューデント・サービス部門。主に外国人留学生やワーキングホリデーの人を対象とし、ビザ関連、学校やホームステイ関係、就職に関する一切などの問題をはじめ、ホームシック対処法など心のケアまで、幅広い分野にわたって相談に応じる。

共感できるからこそ、助けてあげたい

そんな大切な機能を支えているのが、厳しい研修を受け、さらにスーパーバイザーの下で経験を積んで、一人前、のお墨付きを得たアドバイザーたち。その多くがボランティアとして働く。黒木さんも友人マーガレットに誘われて、ボランティアとしてこの世界に踏み入れた。
「相談に来る方の大半は、語学学校で英語を学ぶ学生さんたち。英語が不自由なために起こる誤解から発生するトラブルがどんなに多いことか。そんな問題を抱えてやってくる学生さんたちが、8年前の自分の姿と重なるんです。ああ、私もそうだっだ、と共感できるからこそ、力の限りを尽くして助けてあげたいと思うんです。」
イギリスへの語学留学を機に、ヨーロッパやアメリカを放浪したのち一時帰国。再挑戦の留学はワーキングホリデービザでのニュージーランド。語学学校を経た後、UNITECでEnglish Diplomaを取得。
「ニュージーランドのディプロマを取ったから、ニュージーランドの企業に簡単に就職できると甘く考えていました。ところが、応募する会社、応募する会社、どこからもいい返事がもらえません。あちこち片っ端からCVを送り続ける日々が続き、あせるばかりで何もすることがなく悶々としていた時のことです。CABで働くマーガレットが、静香もCABのボランティアをやらないか、と勧めてくれました。ボランティアスタッフになるには、いろいろな新しい分野のことを勉強しなければなりません。法律、規則や慣習を学ぶのはもちろん、人との接し方、それから英語での対応の仕方、など、身につけなければならないことが山のようにありました。数ヶ月の基礎トレーニングの後、見習い期間もとても長く感じられました。相談を受けて、ですが、もともと私は人と接すること、人に質問するのが好きなのでやってこれたのだと思います。」

正確かつ適切な情報を提供

黒木さんのオフィスは、クイーンストリートのてっぺんにあるビルの3階の一画に位置し、通りを見下ろせる部屋は、外側がガラス張りで明るい。中央に相談用のテーブルといすが置かれ、周囲に配された3つのワークテーブルにそれぞれアドバイザーが位置する。入り口側の壁にはイミグレ関係の各種申請用紙をはじめ、さまざまな情報リーフレットが所狭し、と並ぶ。
「ここに相談に来る人の情報は秘密厳守なのでここで具体的にお話しすることができませんが、中にはドキリとさせられる深刻な内容のものもあります。たとえば、自国でスパイ容疑をかけられているようだがどう対処したら良いか、とか、エイズにかかってしまったけれどどうしたらよいのかなど。話があんまり深刻で、ティッシューの箱を差し出すこともしばしばあります。
いくら経験があるとはいえ、アドバイザーの私たちも全てのトラブルの対処法を知っているわけではありません。そんなときは、特に慎重に対応するように心がけています。 即答を避け、膨大なデータベースを駆使して十分なリサーチをした後、公平、客観的、かつ正確な情報を提供するのです。CABはあくまでもアドバイスをする機関ですから、究極的には問題を抱えた本人に対処法を決めてもらいます。その適切な判断を行えるよう、補助するのが私たちの役割なのです。

Citizens Advice Bureau International Students Service
Level3, 520 Queen Street, Auckland, CBD
tel: 09 309 3478 fax: 09 309 5293 e-mail:cab.iss@xtra.co.nz (English only)
Office Hours: Monday-Thursday 9:30 am - 5:30 pm, Friday 9:30am - 3:30pm
Saturday, Sunday, Public Holidays closed

カテゴリ:現地企業勤務
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