ニュージーランドでアウトドアブランドといったらまず挙がるのが『Kathmandu』。現在このKathmanduタカプナ店のストア・マネージャーを務めるのが、こころ・グリーンさん。ニュージーランドに来た当初は、販売経験もアウトドア経験も持ち合わせていなかったという彼女にこれまでの道のりについて伺った。
【Profile】 こころ・グリーン(34)/Kathmanduタカプナ店ストア・マネージャー 1974年生まれ。兵庫県出身。2003年1月ワーキングホリデーでニュージーランドへ。その間、パール店で3年を過ごす。2006年、Kathmanduタカプナ店のオープニングスタッフとして入社。昨年よりストア・マネージャーに就任。日本ではコンサートに出演しての演奏や子供達にピアノをを教えていた経験を持つこころさんはニュージーランドでも演奏、指導を行っている。ご依頼希望の方はイーキューブまで。 |
英語力を試してみたい
2003年にワーキングホリデーでニュージーランドに来るまで、日本の最大手自動車メーカーのディーラー本社に勤めていました。高校、大学とずっと音楽を勉強してきたので、違う世界も覗いてみたいという気持ちを持っていたのですが、結局ここの社長がピアノ好きで、来客やパーティーの際に会社にあるグランドピアノで演奏もしてほしいという条件付で採用となり、結局音楽に触れながら社会人生活を送ることになりました。
この会社には5年勤めましたが、プライベートでは大学のころからずっと英会話に通っていました。外国人の友達もいましたし、自分の英語に多少自信が持てるようになっていたのでワーキングホリデーで海外に住んで、自分の英語力を試してみたいと思っていたんです。
日本では経験のなかった販売
語学学校を卒業後シティの土産屋で短期間働き、その後パール店の販売員になりました。ニュージーランドでパールはとても人気で、若い子でもブラックパールなどよく購入していきます。この店では販売と同時に製作もさせてくれたり、他店舗の新規開店の準備を手伝わせてもらったりと、とてもやりがいのある充実した時間を過ごす事ができました。
この店で3年が過ぎ、結婚を機に仕事を辞め日本へ一旦戻り、そしてまたニュージーランドに戻ってきて仕事探しを始めました。そんな頃、偶然にも家の側にニュージーランドでは誰もが知るアウトドアブランドKathmanduの新店舗開店のため一ヶ月短期オープニングスタッフ募集の広告を見つけたんです。オフィスワークを探す間、働くのにちょうど良いと思い、応募することにしました。
短期スタッフから店長へ
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私が働くこととなったKathmanduタカプナ店は、オークランドのノースショアエリア初のKathmanduで、店舗もシティに比べ、とても広く大型のアウトドア用品も取り揃えています。そのため一から準備するのは力仕事なくしてはできませんでしたが、新しいものを作り上げる喜びがありました。契約の切れる一ヵ月後、店から「前職も販売だったことだし、スタッフとして残らないか?」とオファーをもらい、留まることにしました。
Kathmandu各店舗は、マネージャー、アシスタント・マネージャー、サード・イン・コマンド(3rd in Command)の3名のフルタイムスタッフとその他パートタイムスタッフで成り立っています。正式にスタッフとなってから3ヵ月後、サード・イン・コマンドのポジションをいただき、そしてその数ヵ月後にはアシスタント・マネージャーが新店舗に異動のため、なんと私がその役目を引き継ぐことになったのです。そんなマネージャーがその後辞めることとなり、今度は私がこの店を背負ってはどうかと声が掛かりました。出来ません、と言いたくない反面、外部からもたくさん応募があり、役職に就く日本人はニュージーランドの店舗に皆無。私にそんな役がこなせるかと何日も悩みました。しかし、この店を一番良く知っている自信はありましたし、損をするならやらないよりやってみようと決意し、昨年ストア・マネージャーとなりました。仕事は店舗運営のあらゆること、雇用、スケジュールやシフトの作成、売上管理などデスクワークのほか、商品は全て本社のあるクライストチャーチから送られてくるので商品構成について交渉するのも現場にいる私の役目です。 ここタカプナ店はリピーターが多い店で、お客様が二度目に来て下さるのは本当にうれしい瞬間ですね。
Kathmanduは現在、店舗をより増やし、今日の不況を考慮して年間のセール回数を多くするなど常に消費者志向のブランドです。ストア・マネージャーとして勉強し、よりたくさんの方に足を運んでもらえるよう努力していきたいと思います。