先日行われたJSANZ Tertiary Japanese Language Speech Contest(※1)で優勝し、副賞としてニュージーランドと日本の往復航空券を贈与されたオークランド大学のチョ・ジヒョンさん。2月3日~15日まで日本に滞在していたジヒョンさんのレポートをご紹介します。(原文ママ)
この度は、JSANZ Tertiary Japanese Language Speech Contestの副賞として頂いた航空券を使い、母と二人で日本に行ってきました。お蔭様でとても快適な旅行ができ、大変お世話になりました。遅ればせながら、日本滞在の報告をさせていただきたいと思います。駄文で申し訳ございません。
日本は今回でもう4回目の旅になりますが、箱根や静岡など初めて足を運んだ場所も多く、今までの旅行とはまた違う趣がありました。箱根の温泉旅館での一泊二日は今までの苦労やストレスが吹き飛ぶほどの素敵な思い出になりました。湯に浸かりながら見上げた満天の星空は、一生忘れられないと思います。
静岡は「富士山が見たい」という実に軽い気持ちで決めた旅先でしたが、予想以上に楽しめました。実は、天気が曇っていたため、本来の目的であった富士山はあまり見られませんでした。非常に残念でしたが、静岡の美味しい食べ物が残念な気持ちを癒してくれました。
例えば、なんと、「清水魚市場」という名の魚市場がありまして、新鮮で美味しいマグロがたくさん食べられました。あと、静岡はおちゃが有名らしく、「ななや」という店で「世界一濃い抹茶」にも挑戦してみました。正確には「抹茶のジェラート」なのですが、抹茶の濃さが七段階あり、好きな濃さを選べられるということでした。No.7は抹茶好きな私にもさすがに濃かったです。
抹茶味は世界的に人気があり、ニュージーランドのジェラート屋でも普通に食べられますが、ここまで抹茶の入ったジェラートは世界中のどこにもないでしょう。正に静岡ならではの究極の味が味わえたのではないかと思います。
今回の旅行のハイライトはとある居酒屋での出来事でした。「青葉おでん街」をご存知でしょうか。静岡おでんが食べられる居酒屋が数十軒並んでいる横丁です。どこも一間ぐらいの入口の小さな店で、カウンターに8人ぐらい座ると満席。店の中はお年寄りの方がほとんどで、入るのに少し勇気が要りました。
入るかどうか決めかねていると、ガラス越しにお客さんがおいでおいでと手招きしているお店があり、勇気を出して入ってみることにしました。「ニュージーランドから来ました」と告げると、店の皆さんは驚きながらもたくさん声をかけてくださいました。知らぬ方と酒を交わしながら語り合うのは初めてで、とても新鮮でした。会話は止まることなく弾み、緊張はすぐに解け、とても歓迎された気持ちになりました。
店内は狭いけど、おでんのように温かい人情がギュッと詰まっていると思いました。そして、このような素晴らしい経験も、日本語を勉強したからこそできた経験だと思うと、ますます日本が好きになり、これからも頑張ろうと思えました。
この度は素敵な機会を頂き、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。いつも私達(ニュージーランドの日本語学習者)のことを支援してくださる二水会の皆さまに、この場をお借りして心からお礼申し上げます。何かの形でお返しできるようこれからも日本語の勉強を頑張りますのでよろしくお願いいたします。