Vol.Winter 2019記事

チョ・ジヒョンさん インタビュー

「日本とニュージーランドの架け橋になりたい」


― ジヒョンさんにとって何度目かの日本だったかと思いますが、今回の旅はどうでしたか?

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 今回は母と一緒の旅だったということもあり、箱根で温泉に行ったり静岡で富士山を見たり、東京で買い物をしたりとゆっくりしてきました。移動は全て電車や新幹線。日本は公共交通機関を使えばどこにでも行けてとても便利だなと、改めて感じました。

― 特に記憶に残っていることを教えてください。

 レポートの中でも少し触れたのですが、静岡に行った時に「青葉おでん街」という場所に立ち寄りました。おでんのお店が並んでいる横丁です。お店はどこもこじんまりとしていて、客の年齢層も割と高め。
 実際に入るのには勇気がいりましたが、店内から「おいで」と手招きしてくれる人がいて。中に入ってからも優しく話し掛けてくれて、周りの人たちの温かさを感じましたね。初めて行く場所で誰かとお酒を飲みながら語り合うというのは初体験。改めて、日本のおもてなし精神を実感した瞬間でもありました。
 また「ニュージーランドから来た日本語が話せる韓国の子」という設定が面白かったのか、興味を持ってくれたのでうれしかったです。日本語ができない母のことも同じように歓迎してくれました。

― スピーチコンテストの時も含め、日本語がとてもお上手なので驚きました。

 ニュージーランドは中学生になると第二外国語として他言語を勉強するのが一般的。私の学校ではフランス語と日本語から選ぶことができたので、日本語に挑戦することにしました。昔からアニメを見るのが好きだったんです。

― それで大学でも日本語を?

 大学の1年間は、学校主催のプログラムを通して広島大学に交換留学もしました。もう3年ほど前の話にはなりますが、その時は日本語はもちろん、中国語などほかの教科にも積極的に取り組みました。日本の大学は、ニュージーランドとは違ってサークルや部活などの課外活動にも力を入れている印象です。

― 今でもまだ、日本語の難しさを感じることはありますか?

 基本的にスピーキングは問題ないのですが、メールでビジネス文章を作らなくてはならないときだったり、あとは目上の方に対する敬語表現だったりという部分は難しく感じますね。「失礼にならないか」「ちゃんとした文になっているか」と考えると、やはりまだ緊張します。

― その"目上に対する敬語表現"はどのように勉強したのでしょう?

 もちろん授業でも勉強しますし、何より私の場合、日本人の目上の方とお話する機会に恵まれていたということも大きいと思います。分からないことがあれば自分で調べて、使う。練習の繰り返しです。

― 最後に、将来の目標を聞かせてください。

 これがすごく難しいところで、「言語を勉強していても役に立たない」だとか「文系は就職活動で有利にならない」だとか、いろいろな声があると思います。まだ悩んでいる最中ではありますが、最終的には日本語能力を生かし、外交官や日本語教師といった日本とニュージーランドの架け橋になれるような職業に就きたいと考えています。

― ありがとうございました。

オークランド日本経済懇談会(二水会)

オークランド日本経済懇談会は、加盟企業計44社・会員数62名(2019年4月末時点)の、オークランド地域でビジネス活動をしている日系企業商工団体。過去4年にわたる「JAPAN DAY」のサポートにおいて、オールブラックスおよび日本代表ラグビー選手の招聘、野球プログラムや日本人ワイナリーフェア、ビジネスネットワーキングなどを企画・運営。また、今回から日本語スピーチコンテストに協賛を始め、日本語能力が高い学生のサポートをするなど、社会貢献活動をしている。

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