
喜津木多聞(きつき・たもん):Tom
英語の「音」に惚れ込み、英語が大好きな小中高生時代を送るが、受験の文法は大の苦手。大学入試センター試験で壊滅的な結果を残し、大手予備校で浪人を経験。そこで英文法の論理性、利便性、その明瞭さに感銘を受ける。大学卒業後3年間、東京・神奈川の塾で英語講師として中学~高校3年生の英語を担当。現在、Galaxy Educationにて4校連携のマーケティング・マネジャーとして働く。英語で英語の説明をされてもどうしても分からない時には、日本語でバッチリ説明可。
壁を乗り越えろ!名詞の捉え方の違い
日本語を外国語として学習する人にとって、「匹」「冊」「本」など数字の後ろに付けて数量を表す「助数詞」をマスターするのはとても大変だといいますが、一方で、日本人が英語を勉強するときには単数形や複数形、そして「a」「the」の冠詞の学習が大きな壁であることは意外と知られていません。
冠詞に関しての理由は明白で、日本語には「a」「the」に相当するものが存在しないからです。例えば日本語で「窓ガラス割っちゃった!」と言いたいとき。英語では話し手と聞き手の共通認識が重要になってくるので、どの窓ガラスか、何枚なのかなどがはっきりしない限り英訳することができません。
また、下記例文のように、文中の冠詞が「a」か「the」かというだけで意味が大きく変わることもあります。
例)
Do you have a time?(ちょっと時間ある?)
Do you have the time?(今何時?)
「a」?それとも「the」?うまく使い分けるには
「a」と「the」が上手に使えるようになれば、英語も上級者。ここでは使い分けのポイントと、冠詞と名詞を照らし合わせられるチェック表を紹介します。
ポイント①
可算名詞(Countable Noun/CN):
具体的な形があり、始めと終わりが明確に区別できる名詞。語頭に「a」か「the」、複数形の場合は語尾に「s」を付ける。
不可算名詞(Uncountable Noun/UN):
概念など、数えられない抽象的な事象や物事を表す名詞。複数形になることはなく、あるいは「a」が付くこともない。
ポイント②
a(an):
たくさんある中の特定できない1つの名詞を指しているときに可算名詞の前に置く。聞き手や話し手にとって新出の情報を表すときにも使用。
the:
共通認識がある事象や物事を表すときの記号で、特定の何かを示すときに使用。
無冠詞:
一般的な情報や具体的な1つの名詞として特定しない場合に使用。
(例:I like cats. = 猫が好きです。)