Vol.190英文法コラム

第3回 ことばの箱

文法のことなら俺に聞け!日本語で分かるTom's Grammar Point


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喜津木多聞(きつき・たもん):Tom

英語の「音」に惚れ込み、英語が大好きな小中高生時代を送るが、受験の文法は大の苦手。大学入試センター試験で壊滅的な結果を残し、大手予備校で浪人を経験。そこで英文法の論理性、利便性、その明瞭さに感銘を受ける。大学卒業後3年間、東京・神奈川の塾で英語講師として中学~高校3年生の英語を担当。現在、Galaxy Educationにて4校連携のマーケティング・マネジャーとして働く。英語で英語の説明をされてもどうしても分からない時には、日本語でバッチリ説明可。

英語は語順が生命線

 英語と日本語で大きく異なるのが、語順に対する厳しさです。日本語が名詞の後ろに格助詞「てにをは」を付ければ語順がバラバラでも基本的な意思の疎通ができるのに対し、英語では語順が違うというだけで文の意味が変わってきてしまうこともあり、途端にコミュニケーションが取れなくなったり誤解を生んだりします。
 英語に存在するのは5種類(※表1)の語順のみ。動詞を中心に決められるこの語順の種類のことを「文型」と呼び、ネイティブは成長過程で自然と習得していくので特段勉強する必要はありません。彼らは無意識に「ことばの箱」を運用しています。例えば「give」という動詞。

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 「箱」に単語をはめ込んでいくイメージです。大事なのは第2回コラムでも触れた「品詞」を理解すること。どの箱にどの品詞が入るか決められているからです。文型のタイプさえ把握してしまえば、大まかな文の意味は推定することができます。
 英文法のルールをできるだけ正確に覚えようとする受験英語がある一方で、初級者や勢い英語の日本人にありがちなのが、キーワードとなる単語だけを抽出して話してしまうということ。動詞が支配する「箱」を意識して、適切な場所に適切な単語をパズルのピースのように当てはめていく。それが「Full Sentence(完全な文)」で話すということであり、大人としてのコミュニケーションには欠かせないことです。

苦手意識とはこれでお別れ!「SVOC」の語順

「SVOC」。これを見ただけで悲鳴を上げる人もいるのではないでしょうか。ここではできるだけ分かりやすくシンプルに、上記でも触れた5種類の語順についてを表にして紹介します。文法用語が分からないときは、前回のコラムをご参照ください。
 繰り返しになりますが、文型の種類を覚えておくことのメリットは文の意味の推定ができるようになるということ、そして自身で英文を組み立てるときに活用できるということです。

【ざっくり用語解説】

Sの箱:名詞(文の主人公)
Vの箱:自動詞・他動詞(主人公の行動)
Oの箱:名詞(行動の影響を直接受けるモノ・人)
Cの箱:名詞・形容詞(SやOの様子・状態)

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カテゴリ:英文法コラム
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