
喜津木多聞(きつき・たもん):Tom
英語の「音」に惚れ込み、英語が大好きな小中高生時代を送るが、受験の文法は大の苦手。大学入試センター試験で壊滅的な結果を残し、大手予備校で浪人を経験。そこで英文法の論理性、利便性、その明瞭さに感銘を受ける。大学卒業後3年間、東京・神奈川の塾で英語講師として中学~高校3年生の英語を担当。現在、Galaxy Educationにて4校連携のマーケティング・マネジャーとして働く。英語で英語の説明をされてもどうしても分からない時には、日本語でバッチリ説明可。
文法用語嫌いと文法マニア
文法が嫌いな人によくあるのが、文法用語へのアレルギーです。「非限定用法の関係代名詞」「懸垂分詞」「文頭の否定語句による倒置」など、いかにも難しそうな文法用語の名前を挙げ出すと切りがありません。しかし、大事なのは文法の役割と働きをしっかり理解し、運用することです。それができれば難しい用語を無理して覚える必要はありません。
そもそも文法用語は、文法の知識を整理するためにあります。「用語」によって学びの対象そのものを難しくしているようでは、全く存在する意味がありません。難しそうに聞こえる文法用語にあまり惑わされないようにしましょう。
反対に文法好きな「文法マニア」に多いのが、難しい文法用語をこねくり回して悦に入ってしまうことです。繰り返しますが、文法は運用(input & output)のための礎であり、それ以上でもそれ以下でもありません。「Jargon」(難解用語)という象牙の塔に囲まれて楽しむのは、運用とは程遠い趣味の領域です。
厳選! 必要最小限の文法用語
とはいえ、英語を学ぶ上で最低限必要になってくる重要な文法用語はあります。それが名詞、動詞、形容詞などの「品詞」や、「文」「句」などの言葉で、語学学校の授業でもよく使われ、理解していないと内容についていけない可能性すらあります。
例えば「富士山」「どらやき」「おばあさん」という3つの言葉。一見全く関係のないように見えますが、全て「ものの名前」という点で共通しています。表面上違って見える物事の共通性を見出すことを「抽象化」と言いますが、表面上の違いを剥ぎ取り、抽象化することでこれらの3つの言葉に「ものの名前」という共通点があることが分かります。そしてものの名前という共通点を持つ言葉に「名詞」という名前を付け、同じルールを使って使う。こうすることで言葉についての知識が整理されます。これが用語の便利なところです。
留学中の英語の授業でも頻出する用語集を表にまとめてみました。授業中にズバっと答えられれば一目置かれるかもしれません。表の中で出てくるS,O,Cについては次回のコラムで説明します。