Vol.183Career Interview

Web Application Developer 平野篤志さん

「生き方」を見直してニュージーランドに来て5年 ようやくスタートラインに立った今、これからが頑張りどころです


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平野篤志(ひらの あつし)さん
岐阜県出身。SEとして11年9カ月勤めた会社を退職し、2012年に学生ビザでニュージーランドへ。オークランドのNZLC、Unitecで学び、2014年7月からWeb Application DeveloperとしてStraker Translationsに勤務。

「仕事第一」の生活から考えた転職

 昔から海外生活への憧れはあったんです。でも英語もできなかったし、現実的ではないと思って大学卒業後は地元の地方銀行にSEとして就職しました。忙しかったし、プレッシャーも大きかった。最後の年は毎日夜中まで働いていました。日本では仕事第一の生活が普通だけど、そうじゃない生活もいいんじゃないかって考え始めたのが、会社を辞める1年前。転職するといっても、国内の同業他社ではそんなに差はないと思ったので海外での仕事も選択肢に入れました。
 ニュージーランドを選んだのは、フライフィッシングが有名だから。それから色々と調べ始め、水道水が飲めたり、治安が良かったり、車が右側通行だということを知り、日本との共通点が多く、親近感が湧きました。ワーキングホリデーはすでに使えない年齢だったので、どんな道があるのかを探り、学校で勉強してからオープンワークビザを取り、就職活動するのがいいという考えに至りました。

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オークランドで学生生活をスタート

 会社を辞める前に一度、下見のためにオークランドに1週間滞在しました。学校見学をしたり、こちらで同じ業界で働いている日本人を紹介してもらって連絡を取ったり。ニュージーランドの印象は良かったです。空気がきれいだし、自然が多くて。あとは観光に行って地図を広げてうろうろしていたら地元の人が「どこに行きたいの?」って聞いてきてくれて、親切にその場所まで連れて行ってくれたり。いい街だなと思い、日本に戻ってすぐに退職届を出しました。
 2012年の1月末で11年9カ月勤めた会社を辞めて、2月にオークランドに来ました。1年後に専門学校に入るために、入学に必要なIELTSのアカデミックテストで6.0相当の英語力を身に付けたいということをいくつかの学校に伝え、提案してくれた答えが一番良かったのがNZLCでした。まずはIELTS試験対策用のクラスに入るために、一般英語のIntermediateレベルから勉強を始めました。スケジュール的にかなり厳しいと言われていたので、IELTSクラスに入ってからは毎日学校が終わってから図書館に移動し、閉館時間まで課題などをして、夕飯を食べて寝るまで家でも勉強しました。土日も毎日勉強のために図書館に行っていましたね。
 でも、IELTSのクラスに入るまでの間は、久々の学生気分を満喫しました。定番だけど学校帰りにみんなでアイスクリームを食べに行ったり。それまで日本で仕事のストレスを抱えていた分、楽しい時間でした。

学校を卒業、ニュージーランドで就活

 2013年の2月にUnitecに入学し、Graduate Diploma in ComputingというITのコース(NZQA Level7)で1年勉強しました。すっかり勉強癖が付いていたので、授業がない日も学校のコンピュータールームに行って課題をやったり。周りはネイティブや英語が上手な学生ばかりだったので、言葉のハンデがある分、予習などを頑張りました。努力の甲斐あって、成績は全部A以上。Best Performing Studentという、日本でいう首席のようなものに選ばれたことが唯一の自慢です。
 Post Study Work Visaが出たのは12月だったけど、就職活動の準備はずっと前から始めていました。日本とは勝手が全く違うので、ニュージーランド式の就職活動を知るために学校の中にある就職活動のサポートをしてくれる部署やニュージーランド政府が管轄している支援機関を利用してCVのチェックや面接の練習をしてもらいました。どこに行っても言われたのが、コネクションの大切さ。人脈を広げるために教会に行って仲良くなった人にまた別の人を紹介してもらって、「実は仕事探しをしているんですが」と話したりしました。

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本採用までの長い道のりの中で

 仕事探しにはSEEKやTrade Meといった求人サイトを使いました。仕事の数自体はIT全体で見るとたくさんあるけど、自分のキャリアと相手が求めているものがマッチしているものになると結構少ない。CVは20〜30件送って1件反応があればいいくらい。面接や実技試験にたどり着けるのはごくごくわずかで、それを繰り返す日が3カ月くらい続きました。ビザの有効期限がどんどん短くなっていく中で、あの時期が一番ストレスでしたね。
 最初に内定をもらえた会社は、90日のトライアルをしてみて、自分のスキルと向こうが求めているものが合わないと言われて本採用はしてもらえなかったんです。その時は本当に落ち込みました。でもすぐに切り替えて新しいところにCVを送っていたら、翌週電話がかかってきて。面接と実技試験をして、その週のうちに仕事が決まったのが今の会社です。実は、Unitecに通っていた時、アンドロイドのアプリケーション開発のボランティアを半年くらいしていたんです。それと1社目での経験をCVに書けたので、ニュージーランドの職場で働いた経験があると評価してもらえたことも良かったんだと思います。

183career04.jpg 理想のワークライフバランスを味わう

 今の会社では翻訳の仕事を管理するシステムの構築・保守をしています。日本にいた時とは仕事とプライベートの時間の配分が逆転しました。今は仕事が1日8時間を超えることはなく、残りがプライベートの時間。休みの日は釣りやバドミントンをしたり、写真を撮りに行ったりしています。
 タスクは時間内に終わらせることが必須ですが、無理なスケジュールを組まれることはないですし、タスクさえ終われば自由に時間を使えます。勤務時間も人によってさまざま。子どもの送り迎えや渋滞も考慮してもらえる。会社の中は完全フラットで、役職では呼ばず、全員ファーストネームで呼び合います。出世競争もないので、そういった意味では人間関係がぎすぎすすることがなくていいですね。
 2015年の6月に居住権を取得して、永住権になるまでもう少しです。でも、ビザを取ってようやく現地の人と同じ位置に並べたので。とりあえずスタートラインに立ったという感じ。今はもう少し専門性の高いポジションを目指していて、キャリアアップのためにまた勉強を始めようかと考えているところなんです。まだまだ、これからが頑張りどころですね。

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