Vol.183特集

特集2−1:ニュージーランドで働く


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 海外で働く。日本とは制度も勝手も異なる国での就労には挑戦や努力が付きものです。4月19日にはビザに関するポリシーチェンジが発表されるなど、移民が働く条件が年々厳しくなっているニュージーランドですが、この国で就職活動をしたり、働く上で押さえておきたい基礎知識や専門家によるアドバイスをご紹介します。 

ウェリントンにある国会議事堂の執務棟、通称「Bee Hive(ビーハイヴ)」

押さえておきたいニュージーランドの
Minimum Employment Rights

Job Contract(雇用契約)

 雇用契約の際は契約書の作成が義務付けられています。契約書には雇用内容が詳細に、分かりやすく記されている必要があり、契約書へのサインは契約が始まる前になされなければいけません。サインをしたら控えを受け取りましょう。雇用主は被雇用者の勤怠や給与、休暇の取得などについてきちんと記録を残しておく必要があります。

Minimum Wage(最低賃金)

 2017年4月1日から最低時給は$15.75(Before Tax)に引き上げられました。ただし、16歳より年少者にはMinimum Wageは適用されません。また、休日の勤務にはHoliday Payが別途支払われなければいけません。

Holidays(休暇)

 最低で4週間の年休が認められています。また、同じ雇用主の元で6カ月を超えて働くと、年に5日の病気休暇が付きます。年休を使うには通常14日前の通知が求められます。

情報:https://www.employment.govt.nz

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仕事探しから雇用主とのトラブルまで、「働く」に関する悩みや困りごとは数多くあります。ニュージーランド全国各地にある公共相談所「Citizens Advice Bureau (CAB)」にはどんな相談が寄せられているのか。ノースショアにある5つのブランチのマネジャーを務めるソネット・デ・コスターさんに教えていただきました。

 

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CABによく寄せられる質問

・CV、カバーレターの書き方が分からない

"New Zealand Work Experience"がないがどうしたらいいか

雇用契約書(Job Contract)がない/もらえない

仕事が見つからない/応募したが返事がない

英語で十分にコミュニケーションが取れない

 

 

 
 CABではみなさんから寄せられるさまざまな相談に対し、トレーニングを積んだスタッフが個々のケースに合ったアドバイスをしています。ノースショアブランチでは雇用に関する相談は全体の1割を占めます。CVやカバーレターの書き方が分からなければ添削をしたり、「New Kiwi Website」や「Work Connect」など、他のサポート団体が用意している無料のフォーマットを紹介したりしています。
 例を挙げた相談内容の中でも、雇用契約書なしで働くことは法律に触れます。しかし、それを知らなかったり、知っていてもとにかく仕事をするために契約書をもらわないまま働いている人もいます。CABでは契約書を渡さない雇用主にどのようにアプローチすればいいのかなどをアドバイスしています。
 また、英語でのコミュニケーションに悩む人には、ビザの種類によっては無料で語学学校に通えたり、語学学校以外にも英語を学べるCommunity English Schoolsがあることを紹介しています。求人広告でIELTSなどでの英語力の条件を提示している場合がありますが、これはあくまで最小限の基準で、雇用主が知りたいのは本当に職場で十分にコミュニケーションが取れるかどうか。学校以外にも英語を学ぶ場は多くあるので、きちんと力を付け、自信を持ってアピールできるようにしましょう。
 自己アピールという点では、特にアジアからの移民は就職活動の際、自分を売り込むことに苦戦しているようです。インターネットで求人情報を探し、それに応募して待つ、という人がほとんどですが、ニュージーランドではコネクションが大事です。直接応募したい会社を訪ねて行った方が効果的に自分を売り込むことができます。初めは難しいかもしれませんが、ニュージーランドのやり方、考え方を学ぶ努力をしましょう。
 仕事を探していて「New Zealand Work Experience」がないことを相談してくる人もいますが、この場合の「Work Experience」は必ずしも対価をもらって働くということを意味しているのではありません。大事なのは、ニュージーランドでグループの一員として活動した経験があり、ニュージーランドの文化への理解があるかどうかです。ですからボランティアでの経験も生かせます。CABのウェブサイトでもボランティアの募集情報を掲載しています。中には地域の植樹やビーチの清掃活動など英語が流暢でなくても参加できるものもあります。
 お金をかけなくても、ニュージーランドには無料で受けられるサポートがたくさんあり、CABもその一つです。私たちはみなさんが前に進む過程のお手伝いをしますが、実際に足を前に出すのはみなさんです。時には自分の「Comfort Zone」を出なければいけません。私がいつもアドバイスしているのはニュージーランド人の友達「Kiwi Friends」を作ること。基本的に人の力になるのが好きな人たちなので、困った時にはKiwi Friendsがきっとあなたをサポートしてくれますよ。

 

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Citizens Advice Bureauについて

 ニュージーランド全国にある公共相談所。雇用に関する内容のほか、ビザ・移住、住宅、医療、教育、夫婦・家族間のトラブル、税金、法律などさまざまな相談に無料、秘密厳守で対応。トレーニングを受けたスタッフによる日本語のサポートも受けられる。

 
Northshore Branches

・Birkenhead:Library Building, Cnr Rawene Rd. & Hinemoa St. / 09-418-0032
・Browns Bay:2 Glen Rd., Browns Bay / 09-479-2222
・Glenfield:Library / Council Building, 90 Bentley Ave. / 09-444-9451
・Takapuna:Community Services Building, 7 The Strand / 09-486-3139
・Northcote:Northcote Library Buildings, 5 Ernie Mays St., Northcote / 09-480-2971

近くのCABオフィスを見つけようwww.cab.org.nz

日本語での相談も受け付け
CAB Language Connect 日本語デスク
月曜 9:00〜16:00、
火曜10:00〜14:00(祝日を除く)
フリーダイヤル:0800-788-877(内線717)
電話:09-624-2550(内線717)
Email:japanese@cab.org.nz

 

▼今月の「特集2−2:ニュージーランドで 「移民」として働くということ」での西村さんのお話もチェックする!
https://magazine.nzdaisuki.com/content/1782

▼今月の「NZ式 就活メソッド」もチェックする!

https://magazine.nzdaisuki.com/content/1783

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