Vol.181Career Interview

NZIOSカウンセラー 喜津木多聞さん


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「学校初の日本人カウンセラーはゼロからの出発 1人でも多くの『英語力』に貢献することが目標です」

喜津木多聞(きつき たもん)さん
 熊本県出身。2010年にオークランドで1年間の語学留学を経験。環境の良さに惹かれ、2015年4月に再びワーキングホリデーでニュージーランドへ。オークランドの語学学校「NZIOS」でインターンシップ中、学校に自らを売り込み、カウンセラーのジョブオファーを得る。学校初の日本人カウンセラーとして奮闘中。

大学で初めて知った「英語を話す喜び」

 ニュージーランドで生活するのは、実は二度目なんです。初めて来たのは2010年から2011年にかけて。大学3年の時に1年間、オークランドで語学留学をしていました。イメージが良かったんですよね。「ラストサムライ」とかニュージーランドで撮影された映画も見ていたし。「何があるんだろう」って神秘的な印象もありました。あとは日本との時差が少ないので家族とも連絡が取りやすいし、水道水が飲めるっていうのもありました。結構合理的な理由で選んでいましたね。
 大学は経済学の専攻でした。教授はスリランカ人で、日本語も英語も話す環境でした。それまで英語を話す機会は全くなく、というより高校までは全然やらなかった。一浪して、そこで初めて本気で勉強したんです。ひたすらインプットしたものを、大学でアウトプットする環境に身を置けたことがきっかけで、英語を話す楽しみを知ったんです。基礎があったから教授の話すことが何となく分かって、ちょっと喋れて。もっと喋りたいと思って留学を決めました。

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インターンシップをきっかけにNZIOSへ

 留学中、悪い経験は何もしなかった。色んな国の人と出会えたし、英語で話す楽しみも増えたし、楽しかったですね。ただ、裸足でスーパーに買い物に行く人とか、結構雨が降っているのに傘を差さない人には驚きました。カルチャーショックも受けつつ、車の運転の仕方とか、日本と共通するところも見つけられて、生活しやすかったです。留学から帰る時、またニュージーランドに戻って来ようって決めたんです。
 大学を卒業してから3年間、東京の塾で英語の講師として働いて、2015年の4月にワーキングホリデーを使って戻って来ました。来てしばらくは家を探したり、何やかんやしている間に時間だけが過ぎてしまって。どうしようかなと思いながら携帯電話で求人を見ていたらNZIOSのインターンシップの募集記事を見つけたんです。無給でインターンシップをする代わりに、英語の授業が無料で受けられるというもので。これだと思って応募したら採用してもらえました。

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アピールの末、ビザ失効間近で掴んだ採用

 午前中は一般英語のAdvancedクラスで授業を受けて、午後は仕事。講師の手伝いをしたり、試験監督をしたり、アンケートを取ったり、いろいろやりましたね。インターンシップをしている間に、この学校には日本人のカウンセラーがいないことに気付いたんです。そこから学校に対して猛アピールを始めました。自分を雇ってくれって。日本人の生徒数が少なかったので、日本人マーケットの情報をデータで示したり。日本人はビザの取得率がとても高いので、一度マーケットを切り開けば利点があるんじゃないかって。あとはSNSとか、インターネット環境も整えた方がいいということも提案しました。
 今思えば、英語だからできたんだと思います。日本語だとアピールが過ぎると当たりがきつく思われてしまうところも、英語だとそれが自然に聞こえる。でも、学校からしばらく返事はありませんでした。ビザが切れる2カ月前になってようやく採用の電話がかかってきました。運が良かったんです。あとは決断とタイミングですね。それがなかったら今頃は日本にいます。


自らの経験を生かし、生徒に寄り添う

 日本人カウンセラーのポジションは今までなかったので、全てがゼロからのスタートでした。カウンセラーと言っても、生徒のサポートだけが仕事ではありません。日本人向けの資料は何もなかったので、翻訳作業は大変でした。でも、この仕事をしていて面白いのは、それぞれバックグラウンドが異なる生徒の話を聞くこと。留学の理由とか、本当に十人十色で興味深いです。
 日本人の生徒にアドバイスしているのは、英語を話しているときは「日本人」でなくてもいいということ。英語でのやりとりは押しの強さが必要なので、謙遜してしまう日本人の美徳は一旦置いておいたほうがいいということです。主張しないことの方が不自然。自分も割り切ってできたから仕事がもらえた背景があるので、経験を元にアドバイスしています。
 

「ニュージーランドを有名に」が目標

 今後の目標は、1人でも多くの日本人が「英語力」を上げてくれること。例えば、他の国の人に対しても怖気付かないで話せたり、ミスしても怖がらないというのも、コミュニケーションをする上で大事な力だと思います。広い意味での英語力に貢献できたらうれしいです。
 今はまだ、この学校で日本人は一番の少数派で、1クラスに1人くらいの割合です。これから日本からのチャンネルをもっと増やしたい。もっと認知度を上げて、生徒を呼びたいです。NZIOSはラグビー強豪校のRotorua Boys High Schoolのオークランドキャンパスなので、ラグビー少年たちにうってつけの学校なんです。2019年には日本でラグビーワールドカップも開催されるので、上手く結び付けられればと考えています。ニュージーランドをもっと有名にしたいですね。そのためには「総力戦」の取り組みが大事だと思っています。

 
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