ホスピタリティの勉強で名高いnzmaで会ったのは、将来は絶対世界的ホテルチェーンのマネージメントスタッフを目指すと決意している濱本久美子さんだった。長い勤務時間、時には安い賃金でつまらない仕事と捉えられることもあるホスピタリティ業界だが、「気づいて、自ら動く」ことが出来るとこれほどやりがいを見つけ出せる仕事はないと胸を膨らませている。他の国ではなく、ニュージーランドでホスピタリティを学ぶ必要があったと語る久美子さんにその理由と夢を実現させる決意を伺った。
【Profile】 |
もともと強かった海外志向
大学3年の時に一年間休学してオーストラリアのブリスベンに語学留学しました。専攻していたのが国際社会学でしたので、留学が必要だと感じていました。ブリスベンでは半年間の英語の勉強の後、ワーホリを取り半年間、大手会計事務所で仕事をしました。その仕事は会計会社が行うミーティング会場のセッティングの仕事でした。初めて触れたホスピタリティの仕事でした。結局ワーホリは半年しか使いませんでした。大学に戻らなければならなかったからです。ワーホリは一年あるのに半年で帰って来てもったいなかったねとよく言われます。確かにワーホリの半年間は捨ててしまったかもしれませんが、その間に経験し、勉強したことは捨ててしまったワーホリ半年間以上の大きな意味があったと感じています。大学を卒業して東京で旅行会社に就職しました。海外で就職したいという気持ちが強くなり、大手ホテルチェーンへ転職しました。というのはホテルチェーンに就職すると世界にある系列ホテルで働くことが出来るからです。そのためには英語を上達させることと、もっとホスピタリティについて本格的に勉強しなければいけないと感じました。どこで勉強すればいいかをネットでリサーチした結果、ウェリントンに決めました。留学していたオーストラリアでなかったのは、ニュージーランドは移民が多く、人種も様々で、観光業も盛んだったため、チャンスがあると感じたからです。オークランドではなく、ウェリントンだったのはウェリントンは首都でニュージーランドの縮図があるのではないかと思ったからです。一ヶ月英語を勉強した後、クイーンズタウンの高級リゾートロッジでハウスキーピングの仕事をゲットしました。3ヶ月後にはスーパーバイザーに昇進することが出来ました。この時本当に自分がやりたいのはカスタマーサービスやホテルマネージメントなのだと実感しました。
ニュージーランドでホスピタリティ
nzmaは即戦力となる人材を育成するためのカフェ&レストランがあり、調理を勉強する学生用のキッチンから運ばれた料理やコーヒーをこのカフェ&レストランでサーブするトレーニングができます。在学中から経験できるインターンシップも充実しています。先生はホスピタリティ業界で実際に働いた経験がありますので、的確なアドバイスをしてくれます。去年Diploma in Hospitality Management Level 5を終了し、今年はLevel 6を勉強し、現在は卒業間際です。トータルで2年間の勉強をしたことになります。 ニュージーランドでホスピタリティを学んで感じたことは日本とは違うことです。日本ではホスピタリティは「おもてなし」と解釈されますが、形式的、堅いという感じが強いと思います。その点、ニュージーランドでは人種も多いので文化も多様化し、自然と近い距離にあるからでしょうか、型にはまらない、リラックス式のホスピタリティだと思います。いずれにしろ大切なのは「人の心を感じること」がサービスの本質だと言うことですね。 勉強している間に感じたのは、自分から学ぶ姿勢でいるとホスピタリティは本当におもしろいということです。先生から与えられたことだけではなく、興味を持ったことを自分から求めて突き詰めるのです。私はそれを現場に出向いて、そこで仕事をしている人たちに直接聞きに行きました。今までにヒルトン、プルマン、ソフィテル、ラングハム、スタンフォードと大手チェーンホテルのレセプションに直接出向いて、ホテルのレセプションの仕事はどんなものか教えて欲しいと尋ねたり、仕事の空きはないかを聞いたりして廻ったのです。アポなしで出向いていますので、後日来てくれと言われれば、また日を改めて出直しました。その結果、プルマンホテルでハウスキーピングのアルバイトをゲットできました。昔のクイーンズタウンでのハウスキーピングの仕事の経験と、学校のインターンシップ担当スタッフのバックアップがあったからではないかと思います。実はこのアルバイトは数回アプライしているのです。聞くところによると、ニュージーランドで仕事をゲットする際、一度断られても諦めずに再トライすると、また来たのかと覚えられて、最終的に採用されることもあるようなのです。諦めないでやる気を見せることが採用に繋がると感じました。
答えのないのがホスピタリティ
私がホスピタリティ業界に興味を持ったのは小さい頃面倒をみてくれた祖母の影響が大きいと思います。祖母は家で小さな旅館を営んでいました。ひとりで料理、部屋のかたづけ、洗濯、お客様の出迎えなどをこなしていました。おばあちゃん子だった私は小さい頃から祖母をずっと見ていたんですね。そこからサービスの気持ちが芽生えて行ったのかもしれません。 ホスピタリティはお客様の心を感じることが本質です。これはマニュアルでカバーできるものではありません。いわば答えがない、時と場合とお客様によって提供するサービスがすべて違うからです。 将来は大手ホテルチェーンのGMになることです。でもその前に、もし永住権が取れたら、ニュージーランド航空のキャビンアテンダントにもトライしてみたいと思っています。ニュージーランドはホスピタリティを学ぶのには大変いい国だと思います。ニュージーランドをベースにしながら、世界のいろいろな国でホスピタリティの仕事に関わって行きたいと思っています。