Vol.130 英語で学ぶ - 夫婦で目指すニュージーランドの永住権


先月号で特集した、ニュージーランドの料理競技会、カリナリーフェア全国大会で4部門のメダルを手にした池田さん。ニュージーランドには、夫婦二人で移住を目指しやって来た。学業とカリナリーフェアへのトレーニング、アルバイトにインターンシップと多忙な日々を送る彼女だが、疲れを感じさせない明るい笑顔が印象的だ。夫婦で留学、永住権を目指す道のりについて話を聞いた。

カリナリーフェア【Profile】
池田亜輝子(いけだあきこ)1981年10月24日生まれ。神奈川県横浜市出身。NSIA: Diploma in Hotel, Hospitality Management Level5在学中。ツーリズムの専門学校を日本で卒業後、3年の社会人経験を経てニュージーランドへワーホリに。そこで今のご主人と出会い、いつか海外生活を夢見て日本で働いていたが、3.11をきっかけに一度しかない人生を後悔なく、と思い再びニュージーランドへ。ご主人は園芸関係の専門学校で勉強中。学校卒業後は南島に就職活動を兼ね旅行予定。コーヒーの香りが好きで、カフェで就職を考え中。


いつか、と思っている未来はないかもしれない

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近所の子供達に英語を教えていた母親の影響で、幼少の頃から英語に慣れ親しんでいた。
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ニュージーランドののんびりした空気が好き。特にサマータイムになって日が長くなってからの季節。都会だけど緑が多いところも。
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南島では、ネルソンかクイーンズタウンが現時点で住む場所の候補地。
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移住にあたって、学費と最低限の生活費を用意することは重要。7年前にワーキングホリデーで来た時と比べて、住居費や車の値段など物価がずいぶんと高くなったと感じる。

ニュージーランドに初めてきたのは7年前。ワーキングホリデービザで1年とちょっと滞在しました。当時旅行関係の仕事で働いていて3年。専門学校の頃から、お金を貯めて海外に行こうと決めていたんです。ニュージーランドでは、クイーンズタウンで4ヶ月冬のシーズンを満喫し、南島と北島を旅行とアルバイトをしながら巡りました。主人とも、このワーホリの間に出会いました。ニュージーランドの自然やのんびりした社会も好きでしたし、夫婦二人の思い出の土地という事で、「いつか、40歳、50歳ぐらいになったら移住したいね」と夫婦で話していました。ニュージーランド移住のきっかけは、去年の東日本大震災です。あの震災で、人生を考えました。病気、事故、天災・・・いつ自分がいなくなるか、この先の40代、50代があるかわからない。だったら、後悔しないように今行動したい。だから、夫婦でニュージーランドに行こうと決めました。

夫婦ふたりで海外留学

計画を立て始めた当初は、ビザについての知識もあまりなく、楽観的に訪問者ビザで渡航して、その間に就職活動、そしてワークビザをゲット、ということを考えていました。ところが、駐日ニュージーランド大使館でその話をした所、訪問者ビザで就職活動は違法だと怒られてしまいました。本腰入れて情報収集すると、永住権の前提となるワークビザを取得するには専門学校留学が一番の近道、ということがわかりました。学生ビザ保持者の配偶者はワークビザが取得できる、という情報があったのでその方法を考えましたが、調べてみると2011年7月に変更があり、その方法は難しそうでした。だったら、良い機会だし二人で留学しよう、という流れになったのです。NSIAは、留学エージェントからの紹介です。キャンパスが便利なオークランド中心地にあること、過去のカリナリーフェアでの生徒さん達の実績や、ニュージーランド全国大会での7年連続でTraining Excellent Awardを受賞していること、たくさんの卒業生達の就職成功体験、また学校の就職サポートサービスとホスピタリティ業界でのネットワークの広さから、将来に役立つスキルを学べると思い決めました。

年下のクラスメイトと経験豊富な講師陣

同級生は中国、インド、インドネシア、台湾、韓国、そして日本といった色々な国の方がいます。クラス内では私が一番年長。母国で仕事をしてから、という方もいますが、私のクラスは高校を卒業してすぐ留学、という子が多いですね。そのせいか頼られることも多く、日本で経験した学校生活ともまた違って最初は戸惑いました。授業はとても楽しいです。講師の先生は皆、ホスピタリティ業界での経験豊富な方ばかりなので、経験を織り交ぜて教えてくれる授業はとても勉強になります。海外で学位を取得してホテルで働き、ニュージーランドで更に幾つか大手ホテルに勤務した先生は、ホテル毎のシステムの違いについて話をしてくれます。リカーライセンスなどのニュージーランドの法律の勉強も、テキストだけではわかりにくいことを、レストラン勤務時の経験を交えて説明してくれたり。そういった実践に基づいた授業は、この先自分が働いた時に役に立つのでは、と感じています。

カリナリーフェアでは、トレーニングを通じて沢山のことを学んだ

カリナリーフェアへは、レストランサービスの授業の先生の勧めもあり、出場することにしました。最初は全国大会に1部門での参加予定でしたが、色々な偶然が重なり、最終的に地区大会で2部門(ワイン&ビバレッジ、テーブルセッティング)、全国大会で4部門(ワイン&ビバレッジ、テーブルセッティング、カフェビバレッジ、クラシックカクテル)出場しました。合計で金メダル2個、銀メダル4個と出場部門で全てメダル受賞という結果を残す事ができ、これも熱心に指導してくれた先生方のおかげだと思っています。大会に向けては、授業とは別にトレーニングの時間がありました。約4ヶ月。授業だけでは勉強しきれないことも学べ、貴重な機会でした。特にカフェビバレッジのトレーニングは、個人的にコーヒーについて非常に興味があったので、更に学ぶ機会を得られました。先生がたも勉強の為ワイナリーに連れて行ってくれました。大会の結果が自信を与えてくれたのは勿論ですが、トレーニングを通じて役立つ実践スキルを学べたことも大きいと思います。

一日、一日を楽しんで生きる

学校は今年の12月に卒業予定です。今は、授業の他に学校のワークエクスペリエンスプログラムでGrand Chancellorというホテルのレストランにてインターンシップをしています。現場で経験が積めるので面白いですね。更にインターンシップ4日目には、このレストランからジョブオファーをいただきました。すでに卒業後のプランがあったので今回はお断りしましたが、きちんと働けば実際の職場でも認めてもらえるということが分かり、さらに自信がつきました。卒業後は、Graduate Job Search Visa に切り替えて、主人と仕事探しをかねて南島を旅行する予定です。オークランドも良い場所なのですが、もう少し田舎の環境に憧れがあるので。永住権をまだとれるかはわかりませんが、ビザに対する不安はありません。挑戦してもしダメなら日本に戻ればいい、という考えです。一見後ろ向きな考えかもしれませんが、人生はいつ終わるか誰にもわかりません。明日終わっても後悔のないよう、日々を楽しく過ごしていきたいです。

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